7月25日より新宿K’s cinema他にてロードショー
昔しんどい現場でチーフをやってもらった。大崎の、作品に向かう献身のハンパなさは尋常ではなかった。しかし、彼は笑っていた。10年経ち、監督としての苦悩は全く別種のものだと呟く大崎がいる。人生、って感じだ。
冨樫 森(映画監督)
安定しない仕事を愛してしまった男はどう生きたらいいのか…。そして妻は。他人ごとではないエピソードの数々が心に沁みます。
内田春菊(漫画家・俳優)
自分がダメだという事実を認めること。 それは簡単じゃない。言い訳に自己憐憫、「そんなみっともなさも含めて俺だ」と半端に開き直ってみたり。大崎、足立の両氏は映画でそれをしなやかに飛び越えて見せた。 熟れ頃の熟男コンビだからこその映画なのだ。
真辺克彦(脚本家)
「この映画を観終わって、幸せな気持ちで満ち溢れている。良きシナリオライターと良き映画監督の出逢いが産んだ人間讃歌に乾杯だ。やったね大崎監督。文句なしの逆転特大ホームランだ!」
武正晴(映画監督)
いい映画でした。見終って主人公と飲みたくなりました。 「大変だよなーお前も。でもさ。じっくりいったほうがいいよ。今映画作っても配給の問題とか色々あるじゃん。信じてればいつか絶対撮れるって。要はあきらめないことじゃない?まあ今日は飲もうよ。え?金持ってない?しょうがないな、オゴるよ。そういえば最近カサベテス見直してんだけどさ…」 俺も頑張るよ、タカシ。頑張ったな、大崎。
緒方 明(映画監督)
ここには心から信じられる優しさが溢れている。情けなく、傷心でみすぼらしいと思った季節がいつしかユートピアに思えて来るのだ。大崎さん、感動しちゃいました。
犬童一心(映画監督)
作り手の実感が詰まっている──大崎さん&足立さんの優しさや情けなさ、弱さも強さも、すべてが胸に迫ってくる。あまりに切実で見るのが辛いシーンもあったけど、抜群のユーモアで爆笑もした。大崎演出は冴えに冴え、俳優の演技は本物の感情に満ちている。
谷口 正晃(映画監督)
現場の空気が手に取るようにわかるくらいの、心の通った素敵な映画でした。多分、玉村町の商店街に行ったら、渋川さんと岡田さんとすれ違うことが出来ると思います(笑)心地よい時間をありがとうございました。
水橋研二(俳優)
脚本の中に詰め込まれた映画愛を演者と全てのスタッフが余す事なくスクリーンに映し出して下さった。大崎章監督の手腕と人柄に脱帽。未来と人へのゆるやかな期待。そして心地よい失敗。だから幸せ。
片元 亮(『ストロボ ライト』監督)
タカシはいつでも驚き落胆する。「えっ」。スクリーンのこちら側でみんなが知っていることをまた口に出す。その愛しさ。胸は躍らず涙もこぼれぬ。でも、この映画を嫌いになるなんて無理だ。
藤島大(スポーツライター)
驚いてどんぐり眼を見開いているさまがちょっとかわいい主人公。世界の不確かさに驚いて立ち尽くしたまま40歳になってしまった子どものような奴。こいつと杯を重ねながら「お前しっかりしろよ」と背中を叩き、気付けば二人で良い酒を飲んでしまった深夜過ぎ…というような映画体験でした。
古厩智之(映画監督)
色彩を消した克己的な画面。日本の地方都市で生活する人々の現実的で生真面目な描写。正直で愚直で不器用な登場人物。大崎監督の情感と人柄がそのまま出ている映画でした。心が和み、切ないです
庵野秀明(監督・プロデューサー)
主人公が『キャッチボール屋』の監督ですと言うように、この映画は大崎監督自身が色濃く投影されているので、彼の私生活を覗き見るようで気恥ずかしい。カッコ悪いところを曝け出して背水の陣で起死回生!できるんじゃないかな。
髙間賢治(撮影監督)
すごく、いい映画だった。諦めなきゃならないことと諦めてはいけないことに苦悩する主人公にいつしかエールを送っていた。夏の終わりの光がせつなく心に響いた。
行定勲(映画監督)
主人公のまわりにはたくさんの人がいたはずなのに、いつの間にか彼を残して先に行ってしまう。それでもあの町だけは、ずっと彼のそばにいてくれる気がする。ビターな多幸感につつまれたモノクロの映像が、思い出のなかの夏休みみたいで切なかった。
岨手由貴子(映画監督)
いたいイタイ痛い! ダメ者の胸を抉るツマの一言ひとことがっ! 40歳近いのに妻や世の中とのズレを自覚できてないタカシの姿がっ!そして我身ごと匕首(ルビ:アイクチ)を突き刺さんばかりに迫ってくる大崎さんの覚悟がっ!! これは映像系の学校が必修科目で見せるべき日本映画界の記録映画でもある。
小林聖太郎(映画監督)
ワタナベタカシという主人公、僕の名前と一字違いの人間だが、僕と違って、妙に愛らしく憎めない。似ているところが一つだけある。神頼みの時に住所と名前を言わないと神様がわからないというところだ。監督と脚本の大崎さんと足立さんの二人と正月の阿佐ヶ谷でバッタリ会ったことがある。ちょうどこの映画の二人と同じ状態で、彼らは映画が撮れなくて、ほとんど閉じた正月の夕方の飲み屋街をボーッと漂っていた。その姿がこの映画と重なる。この映画は恋の映画だと思う。映画に酔って恋してる男たちの話だ。だから、ゆったりとフワフワとドキドキする。酔い心地のいい大好きな映画です。
渡邊孝好(映画監督)
映画は人生だ!大崎章は自分の身をもってそれを証明して魅せた。まるで大崎としか思えないダメ男ぶりにハラハラしながら、愛すべきその人徳にホロリとさせられ、勇気までもらってしまった。やるな!
篠原哲雄(映画監督)
モノクロで映し出された現代が、新鮮で、観る側の想像力をとても豊かにしてくれました。勇気を出して何かを手放すことで、やっと踏み出せたそれぞれの一歩は、不器用ながらも、とても美しく、優しかったです。エンドロールが流れ、温かい気持ちで胸がいっぱいになりました。大崎監督、おかえりなさい!
キタキマユ(女優)
俺は映画屋。 たった一本撮った監督。 企画書いてるうちは映画屋だっていうが、撮らなきゃただのゴミだ。 10年、長いか、短いか。 兄弟、親友、妻子、そして故郷…… 大崎章10年ぶりのホームランがここにある。
奥田瑛二(映画監督・俳優)
女たちはたくましく世界とつながろうとするのに(渡辺真起子さんが『M/OTHER』のアキのその後、のように見えて感動的)、男たちは世界から遊離して、ただただそのイメージだけを握りしめて漂っている。それが単にロマンチックな図式に収まらないのは、タカシの心の最後の扉をこの映画が開いて見せることがないからである。彼は大崎さんであり、私であり、あなたであるが、その心の扉を映画はすべて開け放ってはならないのだ。「映画を作るとは、自分のやり方で自分の人生を救うことなんだ」と確かゴダールがそう言った。大崎さんは「すべてを知らなくても良い、笑いなさい」と言いながらそれを成し遂げたのだ。素敵。
諏訪敦彦(映画監督)
大崎監督、お久しぶりです。 大崎さんの映画は僕にとっていつも他人事ではありませんのでKEEくん(渋川くん)に嫉妬しました。 でもあの感じはKEEくんにしか出せないもんなぁぁ。 あの笑顔はなぁぁ。
大森南朋(俳優)
映画作るのも音楽やるのも、周りから見るときっと「何やってんだよ」って思う事ばかり。例え当人が生き辛さを感じても、それしか出来なくて周りの皆にごめんなさい。役者さん達の演技が上手いので妙にリアルに感じられ「うう…辛い…」となりましたが、その辛い部分に特化せず穏やかな演出&良い感じの着地の仕方をしてくれるのでとても心地良い映画です。
Base Ball Bear 関根史織
東京来て最初に言われた言葉、はみ出し者、親不孝。 恥ずかしい自分を自覚して生きろ…はい、その通り。 でも自分に嘘つけない。 現実は痛いよ。 誰も、誰の犠牲にもならないで。 君は君を辞められない。 大崎監督の優しさに包まれて、背中押された気がしました。
ソングライター・サウンドトラック 下石奈緒美
監督の体験談を元にしているというが、大崎監督は、自分自身を戯画化して、ほろ苦くはかなくも風通しの良いダメニンゲン応援歌を作り上げた。何よりもすばらしいのは、渋川清彦演じるフーテンの映画カントク・タカシ、彼の表情ひとつひとつ、その変化。そして、タカシを取り巻く光石、渡辺ら役者陣の風通しの良いあたたかな演技。このさわやかなあたたかさは、確かな、大崎監督のニンゲンへの讃歌から来ているんだ。
風間志織(映画監督)
近年日本映画に於いて、俳優渋川清彦の持つ「渋川清彦力(りょく)」としか言い様の無いものをあまたの現役監督がやっと発見したんだなぁと思う。遅いよ。時に鋭く時にだらしない。そして何より、ひたむきさを彼に見る。紛れもなく人間。大崎監督は今作でカメラ前に立つ彼に何度目を細めた事だろう。渋川清彦こそ、お盆の弟である。
川瀬陽太(俳優)
生きて来た自分の人生を、ちゃんと切って売るということは、とてもリスクの高い、しかしハマれば強い、一生に一度しか使えないカードだと思う。大崎さんはそれを切った。実は多くの人はそのカードを切る勇気のないままに、落胆し、疲れ果て、自分に愛想を尽かして終わるのに。いや、愛想が尽きていたって、まだあるだろ、と勇気をもらえる作品でした。
西川美和(映画監督)
実家にある兄と私の柱のきずを思い出しました。久しぶりに帰ろうかな
藤谷文子(女優/作家)
渋川清彦の愛すべき“空気”が、光石研の愛すべき“リズム”が、絶妙な間合いで心に沁みてくる。胸に迫ってくるものは、技にあらず。真摯で魅力的な作品だ。
甲斐よしひろ(ミュージシャン)
イントロダクション
7月25日より新宿K’s cinema他にてロードショー
コメント
昔しんどい現場でチーフをやってもらった。大崎の、作品に向かう献身のハンパなさは尋常ではなかった。しかし、彼は笑っていた。10年経ち、監督としての苦悩は全く別種のものだと呟く大崎がいる。人生、って感じだ。
冨樫 森(映画監督)
安定しない仕事を愛してしまった男はどう生きたらいいのか…。そして妻は。他人ごとではないエピソードの数々が心に沁みます。
内田春菊(漫画家・俳優)
自分がダメだという事実を認めること。
それは簡単じゃない。言い訳に自己憐憫、「そんなみっともなさも含めて俺だ」と半端に開き直ってみたり。大崎、足立の両氏は映画でそれをしなやかに飛び越えて見せた。
熟れ頃の熟男コンビだからこその映画なのだ。
真辺克彦(脚本家)
「この映画を観終わって、幸せな気持ちで満ち溢れている。良きシナリオライターと良き映画監督の出逢いが産んだ人間讃歌に乾杯だ。やったね大崎監督。文句なしの逆転特大ホームランだ!」
武正晴(映画監督)
いい映画でした。見終って主人公と飲みたくなりました。
「大変だよなーお前も。でもさ。じっくりいったほうがいいよ。今映画作っても配給の問題とか色々あるじゃん。信じてればいつか絶対撮れるって。要はあきらめないことじゃない?まあ今日は飲もうよ。え?金持ってない?しょうがないな、オゴるよ。そういえば最近カサベテス見直してんだけどさ…」
俺も頑張るよ、タカシ。頑張ったな、大崎。
緒方 明(映画監督)
ここには心から信じられる優しさが溢れている。情けなく、傷心でみすぼらしいと思った季節がいつしかユートピアに思えて来るのだ。大崎さん、感動しちゃいました。
犬童一心(映画監督)
作り手の実感が詰まっている──大崎さん&足立さんの優しさや情けなさ、弱さも強さも、すべてが胸に迫ってくる。あまりに切実で見るのが辛いシーンもあったけど、抜群のユーモアで爆笑もした。大崎演出は冴えに冴え、俳優の演技は本物の感情に満ちている。
谷口 正晃(映画監督)
現場の空気が手に取るようにわかるくらいの、心の通った素敵な映画でした。多分、玉村町の商店街に行ったら、渋川さんと岡田さんとすれ違うことが出来ると思います(笑)
心地よい時間をありがとうございました。
水橋研二(俳優)
脚本の中に詰め込まれた映画愛を演者と全てのスタッフが余す事なくスクリーンに映し出して下さった。大崎章監督の手腕と人柄に脱帽。未来と人へのゆるやかな期待。そして心地よい失敗。だから幸せ。
片元 亮(『ストロボ ライト』監督)
タカシはいつでも驚き落胆する。「えっ」。スクリーンのこちら側でみんなが知っていることをまた口に出す。その愛しさ。胸は躍らず涙もこぼれぬ。でも、この映画を嫌いになるなんて無理だ。
藤島大(スポーツライター)
驚いてどんぐり眼を見開いているさまがちょっとかわいい主人公。世界の不確かさに驚いて立ち尽くしたまま40歳になってしまった子どものような奴。
こいつと杯を重ねながら「お前しっかりしろよ」と背中を叩き、気付けば二人で良い酒を飲んでしまった深夜過ぎ…というような映画体験でした。
古厩智之(映画監督)
色彩を消した克己的な画面。日本の地方都市で生活する人々の現実的で生真面目な描写。正直で愚直で不器用な登場人物。大崎監督の情感と人柄がそのまま出ている映画でした。心が和み、切ないです
庵野秀明(監督・プロデューサー)
主人公が『キャッチボール屋』の監督ですと言うように、この映画は大崎監督自身が色濃く投影されているので、彼の私生活を覗き見るようで気恥ずかしい。カッコ悪いところを曝け出して背水の陣で起死回生!できるんじゃないかな。
髙間賢治(撮影監督)
すごく、いい映画だった。諦めなきゃならないことと諦めてはいけないことに苦悩する主人公にいつしかエールを送っていた。夏の終わりの光がせつなく心に響いた。
行定勲(映画監督)
主人公のまわりにはたくさんの人がいたはずなのに、いつの間にか彼を残して先に行ってしまう。それでもあの町だけは、ずっと彼のそばにいてくれる気がする。ビターな多幸感につつまれたモノクロの映像が、思い出のなかの夏休みみたいで切なかった。
岨手由貴子(映画監督)
いたいイタイ痛い! ダメ者の胸を抉るツマの一言ひとことがっ!
40歳近いのに妻や世の中とのズレを自覚できてないタカシの姿がっ!そして我身ごと匕首(ルビ:アイクチ)を突き刺さんばかりに迫ってくる大崎さんの覚悟がっ!! これは映像系の学校が必修科目で見せるべき日本映画界の記録映画でもある。
小林聖太郎(映画監督)
ワタナベタカシという主人公、僕の名前と一字違いの人間だが、僕と違って、妙に愛らしく憎めない。似ているところが一つだけある。神頼みの時に住所と名前を言わないと神様がわからないというところだ。監督と脚本の大崎さんと足立さんの二人と正月の阿佐ヶ谷でバッタリ会ったことがある。ちょうどこの映画の二人と同じ状態で、彼らは映画が撮れなくて、ほとんど閉じた正月の夕方の飲み屋街をボーッと漂っていた。その姿がこの映画と重なる。この映画は恋の映画だと思う。映画に酔って恋してる男たちの話だ。だから、ゆったりとフワフワとドキドキする。酔い心地のいい大好きな映画です。
渡邊孝好(映画監督)
映画は人生だ!大崎章は自分の身をもってそれを証明して魅せた。
まるで大崎としか思えないダメ男ぶりにハラハラしながら、愛すべきその人徳にホロリとさせられ、勇気までもらってしまった。やるな!
篠原哲雄(映画監督)
モノクロで映し出された現代が、新鮮で、観る側の想像力をとても豊かにしてくれました。勇気を出して何かを手放すことで、やっと踏み出せたそれぞれの一歩は、不器用ながらも、とても美しく、優しかったです。エンドロールが流れ、温かい気持ちで胸がいっぱいになりました。大崎監督、おかえりなさい!
キタキマユ(女優)
俺は映画屋。
たった一本撮った監督。
企画書いてるうちは映画屋だっていうが、撮らなきゃただのゴミだ。
10年、長いか、短いか。
兄弟、親友、妻子、そして故郷……
大崎章10年ぶりのホームランがここにある。
奥田瑛二(映画監督・俳優)
女たちはたくましく世界とつながろうとするのに(渡辺真起子さんが『M/OTHER』のアキのその後、のように見えて感動的)、男たちは世界から遊離して、ただただそのイメージだけを握りしめて漂っている。それが単にロマンチックな図式に収まらないのは、タカシの心の最後の扉をこの映画が開いて見せることがないからである。彼は大崎さんであり、私であり、あなたであるが、その心の扉を映画はすべて開け放ってはならないのだ。
「映画を作るとは、自分のやり方で自分の人生を救うことなんだ」と確かゴダールがそう言った。大崎さんは「すべてを知らなくても良い、笑いなさい」と言いながらそれを成し遂げたのだ。素敵。
諏訪敦彦(映画監督)
大崎監督、お久しぶりです。
大崎さんの映画は僕にとっていつも他人事ではありませんのでKEEくん(渋川くん)に嫉妬しました。
でもあの感じはKEEくんにしか出せないもんなぁぁ。
あの笑顔はなぁぁ。
大森南朋(俳優)
映画作るのも音楽やるのも、周りから見るときっと「何やってんだよ」って思う事ばかり。例え当人が生き辛さを感じても、それしか出来なくて周りの皆にごめんなさい。役者さん達の演技が上手いので妙にリアルに感じられ「うう…辛い…」となりましたが、その辛い部分に特化せず穏やかな演出&良い感じの着地の仕方をしてくれるのでとても心地良い映画です。
Base Ball Bear 関根史織
東京来て最初に言われた言葉、はみ出し者、親不孝。
恥ずかしい自分を自覚して生きろ…はい、その通り。
でも自分に嘘つけない。
現実は痛いよ。
誰も、誰の犠牲にもならないで。
君は君を辞められない。
大崎監督の優しさに包まれて、背中押された気がしました。
ソングライター・サウンドトラック
下石奈緒美
監督の体験談を元にしているというが、大崎監督は、自分自身を戯画化して、ほろ苦くはかなくも風通しの良いダメニンゲン応援歌を作り上げた。何よりもすばらしいのは、渋川清彦演じるフーテンの映画カントク・タカシ、彼の表情ひとつひとつ、その変化。そして、タカシを取り巻く光石、渡辺ら役者陣の風通しの良いあたたかな演技。このさわやかなあたたかさは、確かな、大崎監督のニンゲンへの讃歌から来ているんだ。
風間志織(映画監督)
近年日本映画に於いて、俳優渋川清彦の持つ「渋川清彦力(りょく)」としか言い様の無いものをあまたの現役監督がやっと発見したんだなぁと思う。遅いよ。時に鋭く時にだらしない。そして何より、ひたむきさを彼に見る。紛れもなく人間。大崎監督は今作でカメラ前に立つ彼に何度目を細めた事だろう。渋川清彦こそ、お盆の弟である。
川瀬陽太(俳優)
生きて来た自分の人生を、ちゃんと切って売るということは、とてもリスクの高い、しかしハマれば強い、一生に一度しか使えないカードだと思う。大崎さんはそれを切った。実は多くの人はそのカードを切る勇気のないままに、落胆し、疲れ果て、自分に愛想を尽かして終わるのに。いや、愛想が尽きていたって、まだあるだろ、と勇気をもらえる作品でした。
西川美和(映画監督)
実家にある兄と私の柱のきずを思い出しました。久しぶりに帰ろうかな
藤谷文子(女優/作家)
渋川清彦の愛すべき“空気”が、光石研の愛すべき“リズム”が、絶妙な間合いで心に沁みてくる。胸に迫ってくるものは、技にあらず。
真摯で魅力的な作品だ。
甲斐よしひろ(ミュージシャン)